後進育成が出来なかった経営者の問題2015年10月29日 16:08

公募も失敗、後継者が決まらない優良企業 「社内に適任はいない」と断言するユーシン社長 日経ビジネスの記事です。 1926年に創業され、東証一部の優良企業で従業員も8000人以上の企業の社長が、『「社内には社長の適任がいないことは長年働き振りを見ているのでわかる。社長の適正がある原石も見当たらない」と断言する。』 って、どれだけ恥ずかしいことか、感じていないのが信じられない。

そして『社長公募だった。急速な海外展開を進める中、新社長に求める条件は若くて英語が堪能なこと。年齢は30~40代で、365日、国内外を飛び回る体力を持つことなどが公募広告に明記された。年収は3500万円以上を提示した』、2名を社長・副社長で採用したものの、結局は『田邊社長のお眼鏡にはかなわなかった』。

この田邊社長は、会社の規模や利益を拡大する力が有ったから、優秀な社長と自らは思っており、公募して採用した人が物足りないと思っていたようですが、会社、事業継続を考えて、組織と後継者育成ができなかったのであれば、優秀な経営者とは言い切れない。

特に、長年一緒にやってきた社内に候補者が見つからないと公言するようでは、社員のモチベーションは低下するばかりだ。 そして、焦れば焦るほど、適切な人材の確保は難しく、外れを引く可能性も高くなり、経営にも影響してくるだろう。

私だったら、社内から3名の副社長を選び、それぞれ、財務・管理、技術、営業を担当させてトロイカ体制で、経営持続に破綻の無いようにする。 その後、この3人から社長を選出し、その部分を副社長を増やして充てる様にするでしょう。

田邊社長のように一人で出来る社長はそれ程多くないのです。経営陣の役割分担と組織の力の総合力で世代交代を含めて持続する事も有りです。 カリスマ経営者だったスズキの元社長が、やっと副社長から社長を選び退きました。これで投資家達は安堵しました。 それまでは、鈴木修 社長に何かあったら、スズキは企業としてどこまで維持できるか心配だったわけです。

完全な人間を求めるより、チームワークで各自の強みを生かし、弱みは補完し合う方が、強く、安定した経営にしやすいと言う事です。

竹辺氏を社長にして失敗したのは、やはり、生え抜きを育てずに、外から採用したからでしょう。 歴史の有る企業程、独自の企業文化と商品ノウハウが綿々と引き継がれていて、中々、外からの人が理解するのは大変なのです、特に経営者となると、部下と違う価値を持ちながら仕事をするのですから。

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