市場シェアと満足度の関連性は低い2015年08月20日 11:04

2015年J.D. パワー アジア・パシフィックは、日本自動車セールス満足度(Sales Satisfaction Index、略称SSI)調査を発表した

これは世界で長年の満足度調査を行っているJD パワー社の報告書で、日本において満足度得点は高級車はレクサスブランド、量販車はVW、MINI、日産と続きます。

私はこのJDパワーの満足度調査結果をビジネスの参考として20年ほど前から、世界の主要市場で見てきました。そして、いつも、売れている(市場シェアの高い)ブランドと、満足度の高さが比例しない場合が殆どであることを知っています。

その理由は簡単です。この調査が年間1千台売るブランドも、10万台売るブランドも1つとしてカウントしているからです。 少量生産のブランドの場合、生産に手間を掛け、その購入者は、購入することが満足度の高さを保証している訳です。

量販車のように、ディーラー店頭に山ほど並んで販売合戦を繰り広げ、商品価値の違いは少ないですから、ここで得られる満足度は、ディーラーの態度や値引き(コストパフォーマンス)とアフターサービスに影響される部分が大きい事、そしてブランド間でのその差は少ないので、満足度は低めになります。 しかし、販売量は大きく、不満足度が高いわけでもないのです。

そういった意味で、JD パワーの満足度調査はマーケティングとして企業が参考に出来る点は殆ど無く(量産メーカーが少量生産メーカになるわけでもない)、顧客のブランド選択への影響度も無いと思いますが、まだ、同じような調査をしていることに驚きました。

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