シャープは何を間違えたか?2015年05月14日 17:17

亀山・堺工場稼働、最高益から巨額赤字まで・・シャープの主な出来事

2004年 亀山工場が稼働。液晶テレビを「亀山モデル」として量産 08年 08年3月期の純利益1019億円と過去最高 09年 09年3月期に最終損益が1258億円の赤字に 12年3月期の最終損益が3760億円の赤字に 15年3月期の最終損益は2223億円の赤字

液晶=シャープ=カメヤマのブランドを確立し、2006年から本格化した地デジへの移行と液晶テレビへの買い替えで、2008年の最高利益を可能にした。

ところがインチ1万円の液晶テレビの価格がインチ1千円にまで低下したので、売っても赤字と言う状態が直ぐに発生した。 この価格破壊は異常で、当時の円高で韓国、台湾、中国製が廉価だったことに対する対抗策のつもりだったろうが、これが大きな誤算で、現在の原因となっている。

何が問題だったか? 1)経営資源と生産・販売を液晶テレビに大きく割き過ぎて、その他の事業での補完が出来なくなった。

2)技術および生産能力的に他社より優れていたにも拘わらず、競合他社を恐れすぎて、自らより安く、より多くを目指したために、採算悪化と体力消耗を引き起こした。インチ5~7千円でも消費者は購入しただろう。 どのような商品でも販売数量の限界は必ず来る。その上限を見極めて、次なる需要を生む新商品の開発を進めるのが、メーカーのマーケティングなのだが、お粗末だった。

3)シャープは液晶パネルについては技術的にトップクラスだろうが、その周辺の電子デバイスについては他社からの購入品が多いと思われる。 だから販売価格が下落したときに、コストダウンの幅が限られている。 シャープの商品開発力はすばらしく、アイデア商品も多く生まれ、他社部品の組み合わせ技術で伸びてきた会社だった。液晶パネルに頼らずにそう言った商品を売ることに回帰しつつ、液晶パネルを応用した新商品を考えて行くべきだった。テレビでおかしくならなければ、きっとソーラーパネルも他社の追いつけない良いビジネスになっていたような気がする。

4)他の大会社でも良く見るケースだが、短期的な売り上げ、利益拡大に目が眩んで、3年後も見据えられない経営陣の独走を止める会社でなくてはいけない。 多分、この時期シャープでは成果至上主義で、短期に成果を求められた結果と想像できる。結果として赤字が膨らみ、多くの社員をクビにせざるを得なくなり、企業体力も落ちている。

シャープの高橋興三社長「構造改革、不退転の覚悟で」2015/5/14 18:47

これでは危機感は伝わって来ないで、目先の事ばかりだ。 カンパニー制は、事業を切り売りにするときに便利なだけで、シャープの各部門の相乗効果はなくなり、カンパニー単位での固定費が膨らむだけで、今のシャープが選択してはいけない手法だと思われる。

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