東芝の不正会計と経営責任2015年12月27日 11:21

経営幹部の問題:東芝不適切会計 ― 2015年07月10日の投稿から5ヶ月経た今、16年3月期決算は約5000億円の最終赤字で、年間で1万600人にのぼる人員削減で最終(当期)損益は過去最悪の5500億円の赤字になるらしい。

<東芝>「もはや経営危機」自己資本6割減の衝撃 自己資本は1兆840億円あった。それが16年3月末に4300億円になる。1年で6割の大幅減だ。

ここではPLでの損益面と、BSでの資金量について言及しています。自己資本がマイナスになると言うことは借り入れが出来なければ倒産につながります。

一方、東芝の売り上げは6兆6千億円を超えていますので、非常に規模が大きい会社で、ちなみに日立は10兆円弱です。東芝は日立に追いつきたいとして無理をした結果が、経営者の暴走につながり、損失を隠し続けることで積み上がった赤字が今、白日の下に晒されたのです。

そういった経営状況を知らされることなく、一気にリストラの対象となった従業員は大変な目にあって、怒りのもって行き所も無いでしょう。

1万人程度のリストラをし、1年後には黒字化と言い始めましたが、5500億円にも上る赤字が不採算事業の停止や集中と選択のための事業の売却を含めても、1年で黒字になるとは思えず、堅実な3年での黒字化に向けた計画と実行の方が現実的であり、歪みも少ないと思われます。どうも日本の経営者は赤字になると1年で黒字にと言いたいようだが、再建計画というのはそれほど簡単に決まるものではない。

東芝の不正会計に関係したと思われる経営陣は、株主から訴訟を受けて巨額の罰金を払い、東京証券取引所からは監査法人を含めて罰金が科されますが、そこまでは自業自得で、職を失う従業員への保障は殆ど無いのです。

優良な会社であれば労働組合があり、団交で経営者から経営数字に基づいたベースアップや就労環境について交渉がなされるはずだが、東芝労組は何をやっていたのだろう。 労組として従業員を守れなかった問題は大きいと思うが、どのマスコミも取り上げてはいない。不思議なことだ。

企業経営陣による不祥事が起こる度に、再発防止で政府は規制を作るばかりで、実効性のないお題目に留まっている。問題のない企業も規制に合わせるための費用がかさみ、収益を圧迫される。これでは日本企業の競争力が上がる訳がない。

政府が多くの企業を監査する訳にも行かず、何のために監査法人が存在するのか、そのチェック機能が甘かったのが問題だ。ここでは監査法人の信頼性を上げる手立てを政府も考えるべきでしょう。

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