競争を捨てたヤマハ発:ヤマハ発、ホンダから50cc2016年10月05日 10:09

ヤマハ発、ホンダから50cc二輪調達 ライバル提携

なかなか衝撃的な情報でした。ヤマ発もホンダも二輪車事業から始まった会社です。ホンダはその後、自動車事業に参入した為に、会社の規模に差が付きました。

それでも二輪車販売で競合し、レースなどでもしのぎを削って来たわけで、ヤマ発がホンダから50ccをOEM供給を受けて販売するのは、ヤマ発の営業の現場(特に日本市場)では、モチベーションが維持できるか?大きな疑問があります。 それは50ccに留まらず、自社製であっても排気量別に担当者が居るわけではないので、125~250ccの販売に悪影響が出てもおかしく有りません。

いくら「市場が縮小している」、「日本市場が殆どで儲からない」と言っても、両社が独立して開発、販売してきた商品に対して委託するよりは、ヤマ発が50ccから撤退したほうが、良かったのではないか?と考えます。 カワサキはこのクラスには参入していませんが、250cc以上は売れているようです。

どちらにしてもヤマ発分の50ccはホンダに行くのだから、結果は同じ。又、日本で言えば50ccが無ければ、125cc等の上のモデルが売れなくなるわけではない。なぜなら、二輪車のクラスや免許が大きく異なるからです。

ヤマ発の経営陣は、お荷物を軽くする合理化の視点で決めたのでしょうが、流石に自社の基幹商品であり、企業文化、ブランドイメージのベースになっているものに対する判断としては、大きな疑問を感じました。

ソフトバンクは大丈夫か?2016年07月19日 19:01

ソフトバンクが巨額買収 英社を3.3兆円、IoTで成長

英の半導体設計大手アーム・ホールディングスを約240億ポンド(3兆3000億円強)で買収すると発表した.。この買収により ソフトバンクグループは16年3月末時点で、自己資本の4.5倍に相当する12兆円弱の有利子負債を抱えるということで、更に3兆円以上の買収とは、大冒険だ。

この冒険が役員会ですんなり通った事が驚きだ。所来の社長候補とされていたニケシュ・アローラ前副社長が退任したのは、彼がいるとこの買収が成立しなかったからではないかと勘繰りたくなる。

アーム・ホールディングス社は買収に値する技術力を持っているのは間違いないが、その買収成果を出す前にソフトバンクが経営難に陥る可能性も、これだけの借金を抱えていると否定できない。

孫氏は、買収によってビジネスの拡大をしてきている。それは時間を金で買うという意味では間違っていないが、買収した会社、事業がすべて成功しているわけではなく、足を引っ張ている点も考えなければならない。つまり、資金回収しようと買収した会社を売るとしても、価値が低下して損を出すことも有る。

もし私がソフトバンクの社外取締役で有ったなら、借金の返済と買収について明確な回答を求めただろう。

精神科医が経済を語るとこうなるのか2016年05月31日 23:41

<strong>名誉というインセンティブ・システムはなぜ失われた~オバマ大統領広島訪問で痛感したこと</strong>

<em>日経新聞社のネットで{BIZCOLLAGE}と言うのがある。色々な人が色々なテーマについて記事を書いているので、レベル的には玉石混合状態です。 ここでは、そこで気になったテーマをとり上げたいと思います。</em>

まず、タイトルで「オバマ大統領広島訪問で痛感したこと」と書いてあるので、その内容が主かと思ったら「お金より名誉をとるべき」と言う、経済、思想が結論でした。 「武家社会の頃などはとくにそうだが、日本というのは、もともとは金より名誉を重んじる国だった」などと言われてもピンと来る人がどれだけ居るのでしょうか? 武家社会というのは、当時の日本国民の割合としては江戸時代で7%に過ぎなかったというデータが有ります。武家社会では世襲制を採っていましたから、先祖が戦で活躍したことによってある地位を得られ、その一族(家)の存在が大きかった訳ですから、先祖の取得した名誉を如何に代々維持して行くかが最大の関心事であり、金とは関係ない名誉が有った訳です、それも7%ですから、「日本人と言うのは」は正しくない。同時代で84%を占める農民は、年貢を納めて7%の武士を養っており、その見返りは有りませんでした。

農民の中でも、地元の取りまとめ役となっている明主や庄屋は、農民の中でも名誉と金を持っていたと思われます。 河川改修などの公共工事も、武士が指揮し、農民は人工として駆り出されましたから、そこにも工事者の名誉は有ったかもしれませんが、お金は出していません。 6%の商工従事者は、お金を持ち、その資金力で豪商と呼ばれた人もいました。この中で自分のお金を出して、橋や道路整備などの公共工事をした人が居ましたが、これはビジネスのための環境整備の投資でしたから、ただ、ボランティアとしてお金を出していたわけではありません。ただ、その点を悟られなければ、お金によって名誉を得た人もいたと考えられます。

逆に裕福な武士、商人家、庄屋が、学者や芸術家を支援することは多く見られたようですが、これは名誉を目的にしたものとは思えません。

ですから、名誉は金では買えません。記事にあるような寄付をすることで結果的に名誉に結びつくとは言えますが、裕福であるからこそ、巨大な寄付が可能だという事です。

そういった意味で「日本の政治家において、あるいは財界人において、名誉をインセンティブにしている人が少ないように思えてならない。少なくとも、不名誉が行動抑止として機能しない」のは、おかしくないのです。 「日本では格差社会化と拝金現象が進んでいる」と言うのは、昔は日本人は格差が少なくて、平均的と言われていたが、それは高度成長期の事で有り、国の経済が停滞すると、どの国でも格差が広がって行くもので、格差が広がれば自分も高所得者層に留まりたいから、拝金主義になるのです。 「勝ち組、負け組」と言う表現も最近使われています。

この記事は7ページに及んで書かれてますので、十分な説明をするスペースが無かったとは言えません。それでも得られるのは間違った知識のような気がします。

日経新聞社のネットで{BIZCOLLAGE}と言うのがある。色々な人が色々なテーマについて記事を書いているので、レベル的には玉石混合状態です。 ここでは、そこで気になったテーマをとり上げたいと思います。

まず、タイトルで「オバマ大統領広島訪問で痛感したこと」と書いてあるので、その内容が主かと思ったら「お金より名誉をとるべき」と言う、経済、思想が結論でした。

「武家社会の頃などはとくにそうだが、日本というのは、もともとは金より名誉を重んじる国だった」などと言われてもピンと来る人がどれだけ居るのでしょうか?

武家社会というのは、当時の日本国民の割合としては江戸時代で7%に過ぎなかったというデータが有ります。武家社会では世襲制を採っていましたから、先祖が戦で活躍したことによってある地位を得られ、その一族(家)の存在が大きかった訳ですから、先祖の取得した名誉を如何に代々維持して行くかが最大の関心事であり、金とは関係ない名誉が有った訳です、それも7%ですから、「日本人と言うのは」は正しくない。同時代で84%を占める農民は、年貢を納めて7%の武士を養っており、その見返りは有りませんでした。

農民の中でも、地元の取りまとめ役となっている明主や庄屋は、農民の中でも名誉と金を持っていたと思われます。 河川改修などの公共工事も、武士が指揮し、農民は人工として駆り出されましたから、そこにも工事者の名誉は有ったかもしれませんが、お金は出していません。

6%の商工従事者は、お金を持ち、その資金力で豪商と呼ばれた人もいました。この中で自分のお金を出して、橋や道路整備などの公共工事をした人が居ましたが、これはビジネスのための環境整備の投資でしたから、ただ、ボランティアとしてお金を出していたわけではありません。ただ、その点を悟られなければ、お金によって名誉を得た人もいたと考えられます。

逆に裕福な武士、商人家、庄屋が、学者や芸術家を支援することは多く見られたようですが、これは名誉を目的にしたものとは思えません。

ですから、名誉は金では買えません。記事にあるような寄付をすることで結果的に名誉に結びつくとは言えますが、裕福であるからこそ、巨大な寄付が可能だという事です。

そういった意味で「日本の政治家において、あるいは財界人において、名誉をインセンティブにしている人が少ないように思えてならない。少なくとも、不名誉が行動抑止として機能しない」のは、おかしくないのです。

「日本では格差社会化と拝金現象が進んでいる」と言うのは、昔は日本人は格差が少なくて、平均的と言われていたが、それは高度成長期の事で有り、国の経済が停滞すると、どの国でも格差が広がって行くもので、格差が広がれば自分も高所得者層に留まりたいから、拝金主義になるのです。 「勝ち組、負け組」と言う表現も最近使われています。

この記事は7ページに及んで書かれてますので、十分な説明をするスペースが無かったとは言えません。それでも得られるのは間違った知識のような気がします。

三菱自動車の虚偽はなぜこんなに続くのか?2016年04月20日 17:55

三菱自、燃費試験での不正を発表 日産自の指摘で発覚

またもや三菱自動車ですか?何度もリコール隠しでイメージダウンを経験し、社長もその間に交代しているのに問題を払しょく出来ていないのには驚きです。

三菱=スリーダイヤモンドのブランドの面汚しも甚だしい。なぜこうなってしまったのか?一時はランサー、ミラージュ等が売れていたのに。

問題は三菱重工から三菱自動車に独立した事が遠因にあると考えます。ロケット、日本最初の民間ジェット旅客機のプロジェクト、船舶、軍事向けなど技術が求められる三菱重工では考えられない問題でしょう。

自動車部門だけを取り出した時に、ほかの自動車メーカと同様の売れるものを作る会社になってしまったのだ。これが三菱重工の自動車部門として、欧州高級車のような高くても差別化されたものを売っていた方が良かったと思われます。

競争の激しい量販モデルが無理を重ねる事となったのです。

このままのイメージダウンでは、更に苦境に立たされると思いますが、再生の道は、三菱の総力を上げて、高級車や次世代車を選択する事だと考えます。

スズキはどうなって行くのか?2016年03月26日 12:38

軽自動車の雄・スズキの「迷走」~カリスマ経営者・鈴木修会長も老いには勝てぬか という記事、書き出しは「インドで生産した逆輸入車をスズキが販売」する事についての鈴木会長のコメントで、日本の自動車メーカーとしては初めての試みに対して、この記事の筆者井上 久男氏は、鈴木修氏の健康問題や冷徹な人事、後継者不足、トヨタ等の支援が無ければ経営不安と結び付けており、 インドで生産した自動車は駄目に決まっている、それを強引に決めた鈴木会長を強力に否定しています。

鈴木修氏のワンマン経営ぶりは業界では有名であり、スズキを売上高3兆円の企業に一代でしたその手腕は高く評価されるべきでしょう。

経営者はまた引き際も重要で、ワンマン経営者であっても老害になってはいけない。会社のことを考えるのであれば、口を出さずにすべてを任せるしかないのです。

この記事では社長の長男・俊宏氏について、「大企業を引っ張るリーダーシップには欠ける」として、否定的ですが、その例が修氏が「たぬき親父」、「腹芸」が出来るからと、町工場の親父を自負していた前時代的経営手法を評価しています。

その手法を否定するものでは有りませんが、時代が変わり、グローバル化した3兆円の会社の経営手法は変わっても良いはずで、この記事は糞も味噌も同じにしてしまって、さらに経営問題にまで拡大解釈をしています。

インド製の自動車を販売する鈴木会長の論理は明確で、経営的には納得できます。それが成功するかどうかは別ですが、現時点では最良の選択肢です。また、失敗してもスズキの経営が傾くほどの規模では有りません。

こういった、記事を読むのは、事実と論理的構成を見極めて、ニュートラルな判断をする必要が有ります。

私は、この記事は悪意が込められた構成であり、トヨタとの提携を含めてスズキは適切な判断と経営を進めると思います。