海外勤務はキャリアアップのチャンス2015年10月26日 18:48

新入社員の63%、海外勤務望まず 過去最多と民間調査

どうも噂には聞いていましたが、すごく保守的ですね。ビジネスの世界で「何も挑戦したくない」と言っているようなもので、私なら採用候補にしません。

当社は海外売上比率が高く、海外の工場を含む支社が多くあります。 現地に勤務するばかりでなく、入社後早い時期に海外出張が業務の一環になっています。 これは海外営業だけでなく、生産、技術、管理部門も頻度は落ちますが総合職であれば機会があります。 ビジネスの形態と環境がそうなんですから、当然、採用に応募してくる人も70%は将来海外勤務希望で、30%はそれ程深く考えていない人です。

私は海外営業一筋で、海外勤務も経験しています。課長・部長時代には、誰をどこへ、どの順番で出すかに悩むほど皆が海外勤務順番待ちでした。部下の総合職の90%は海外勤務に出ました。

語学力(特に英語)が高くない人も出ています。語学力は高い方が良いには違い有りませんが、イコール仕事が出来る事を意味しません。 我々は資質と言っていますが、現地のスタッフと一緒に汗をかいて、コミュニケーションを取る努力をする人は伸びて行きます。

逆に、本社から派遣されて、自分は偉いんだと、現地スタッフに指示し、自分で市場を見ない人は、本社で報告を見ているだけで分かります。こういった人は出来るだけ早く、海外勤務から帰します。 さもないと一緒に働いている現地の人や駐在者に迷惑ですから。

前者が90%位ですから、そこそこ優秀な人材を有していると思います。

現地で生活する事の不安は有るでしょうが、先輩諸氏を含めて多くに人が生活できてきているのですから、その不安を乗り越える精神力が必要でしょう。後は住めば都になっている人が多いのです。 定年後に自分の勤務地であった国で仕事が出来る会社に再就職する人が30%位居ることを見ても分かります。

私は語学力が低くても、海外の生活に不安が有っても、頑張ってみようという人は、海外勤務の可能性が高い会社に挑戦して欲しいと思います。 逆に、頑張ってみようと思わない人は、可能性の無い会社を受けることを強くお勧めします。

後進育成が出来なかった経営者の問題2015年10月29日 16:08

公募も失敗、後継者が決まらない優良企業 「社内に適任はいない」と断言するユーシン社長 日経ビジネスの記事です。 1926年に創業され、東証一部の優良企業で従業員も8000人以上の企業の社長が、『「社内には社長の適任がいないことは長年働き振りを見ているのでわかる。社長の適正がある原石も見当たらない」と断言する。』 って、どれだけ恥ずかしいことか、感じていないのが信じられない。

そして『社長公募だった。急速な海外展開を進める中、新社長に求める条件は若くて英語が堪能なこと。年齢は30~40代で、365日、国内外を飛び回る体力を持つことなどが公募広告に明記された。年収は3500万円以上を提示した』、2名を社長・副社長で採用したものの、結局は『田邊社長のお眼鏡にはかなわなかった』。

この田邊社長は、会社の規模や利益を拡大する力が有ったから、優秀な社長と自らは思っており、公募して採用した人が物足りないと思っていたようですが、会社、事業継続を考えて、組織と後継者育成ができなかったのであれば、優秀な経営者とは言い切れない。

特に、長年一緒にやってきた社内に候補者が見つからないと公言するようでは、社員のモチベーションは低下するばかりだ。 そして、焦れば焦るほど、適切な人材の確保は難しく、外れを引く可能性も高くなり、経営にも影響してくるだろう。

私だったら、社内から3名の副社長を選び、それぞれ、財務・管理、技術、営業を担当させてトロイカ体制で、経営持続に破綻の無いようにする。 その後、この3人から社長を選出し、その部分を副社長を増やして充てる様にするでしょう。

田邊社長のように一人で出来る社長はそれ程多くないのです。経営陣の役割分担と組織の力の総合力で世代交代を含めて持続する事も有りです。 カリスマ経営者だったスズキの元社長が、やっと副社長から社長を選び退きました。これで投資家達は安堵しました。 それまでは、鈴木修 社長に何かあったら、スズキは企業としてどこまで維持できるか心配だったわけです。

完全な人間を求めるより、チームワークで各自の強みを生かし、弱みは補完し合う方が、強く、安定した経営にしやすいと言う事です。

竹辺氏を社長にして失敗したのは、やはり、生え抜きを育てずに、外から採用したからでしょう。 歴史の有る企業程、独自の企業文化と商品ノウハウが綿々と引き継がれていて、中々、外からの人が理解するのは大変なのです、特に経営者となると、部下と違う価値を持ちながら仕事をするのですから。