北朝鮮問題の経済への影響2017年05月02日 22:14

色々な経済の予測がされていますが、私は世界経済(特に先進国)への悪影響は大きいと予測します。 その理由は、資本主義経済圏における資金量はそれ程変動しない=総量が決まっていると言う視点から、変動には3つの要素が有ります。

1つは戦争又はそれに準じるものです。兵器は生産されますが、それは消耗品で有り、都市などの破壊に使用されますから「資金の浪費」でしかありません。 北朝鮮の有事の前に、米国はシリアでミサイルを使い、アフガニスタンで爆弾を使用して、軍事力を誇示し、軍隊を朝鮮半島に派遣しています。これでもかなりの浪費です。 米国のリーマンショックは記憶に新しく、世界中に悪影響を及ぼしました、この原因は米国のバブルとデリバティブのような実体のない資金の存在が拡大し、それがクラッシュしたと言う見方が多いですが、それ以前に、米国及び同盟軍はアフガニスタンやイラクと戦争をしています。 ここで浪費された資金は多大だったのですが、米国のうわべの景気は悪化していない様に見せていたわけです。

2つめは、天候不順による農作物の収穫変動です。同じものが収穫量によって価格が高騰したりするのですから、経済に影響を与えます。

3つめは、共産、社会主義国との合流です。これらの国は計画経済でコントロールされ、市場競争原理が働かず、通貨はその国独自の価値ですから、資本主義経済圏に合流しますと、資金がその国に流れ込むために、資金は減少します。但し、その国が成長する事で次第に補って行く事は可能です。 中国がIMFの認可を得て元を国際通貨にする動きが有りますが、これが実現しますと、資本主義経済圏の資金は大きく減少(薄まる)し、さらに中国は資本主義経済に変革しませんので、爆弾を抱えた状態が続くことになります(私は反対です)。

1に述べましたように、共産国の北朝鮮にたいして、資本主義国が資金を浪費しているのですから、経済への悪影響は避けらないと考えた方が良いでしょう。ただし、リーマンの時の様に、いつ問題が噴出するのかは定かではありません。

シリア攻撃は米国発の国際秩序破壊だ2017年04月08日 11:11

<米国>シリア攻撃「化学兵器」と断定…巡航ミサイル59発 これはトランプ大統領の命令で米軍が他国を攻撃できる事を誇示するのが目的だ。今までことごとく連邦裁判所に無効とされた、入国に関する大統領令や議会の同意を得られなかったオバマケアの廃止、と異なり、誰も阻止できない命令が存在したという事だ。 これは核攻撃の命令も同様に扱われるだろうから、非常に危険な状態だ。

実業家思考のトランプ大統領は:

1.シリアの化学兵器の使用と被害に対して、攻撃こそ最大の防御と考えた。だからロシアを含む主要各国との調整は後回しで良いと思っていた。 化学兵器を使ったのはアサド政権、シリア国民はこの攻撃を支持すると言う仮定の検証はされないままであった。 当然、アサド政権を支持するロシアの反発やIS国を追い詰めている周辺各国の作戦への悪影響など情勢理解は無かった。 結果としてこの攻撃を支持したのは、当事者ではない主要各国である。

2.北朝鮮のミサイル発射や核兵器開発を潰すと公言し、米軍単独攻撃も示唆していたトランプ大統領は、中国の習近平主席の訪米時期に合わせて、中国が北朝鮮を抑えなければ同じように軍事行動に出るという脅かしで、米中会談の主導権を握ろうとしている。

3.選挙戦ではロシアがトランプ大統領候補の当選を後押ししたと言う噂が渦巻く中で、ここでロシアと仲たがいしておけば、その追及は困難になるとの思惑。

これらの思考が米国内を含んで国際社会で通じるとは思えない。 <米、シリア攻撃>「国連憲章範囲内」と正当性繰り返し強調とあるが、トランプ大統領は国連は駄目だから拠出金を削ろうとまで言っていたのが、ここでは国連の名の下にシリア攻撃を正当化しようとしている。何という矛盾か。。。

ISテロ国家が世界中で更なるテロ活動を強化する危険性を増加させた責任は重い。力でアサド政権を潰したとしても、対テロの解決策にはならない。

トランプの目的は大統領になる事2017年03月17日 19:39

http://gigazine.net/news/20170203-data-turned-world-upside-down/:大統領選挙でトランプ大統領を勝利に導いたビッグデータを活用したデータ革命とは? この記事はトランプ氏が如何にオンラインキャンペーンを戦略的に上手く使ったか、そしてその結果として大統領になったことは間違いが無い事を説明しており、今後の選挙戦略で本人の実力や適性に拘わらず、選挙に勝つことが出来る手法が確立されたことを意味する。

国際情勢の知識も無く、米国の不動産業の成功者として、実業家の視点でしか政策を進めていない状況からも、トランプ氏は実業家の次は大統領になりたい、と言う目標を達成する事が重要だったわけだ。

だから、米国株式会社の社長としての我儘な政策であり、政治家としては大きな欠陥を有し、米国を大混乱に陥れている。世界もそれに振り回されている。何と不幸な事か。

入国制限の大統領令を出して、1度ならずも2度も連邦裁判所から違憲の判断が下り、大統領令の異常さがクローズアップされてきているのに、懲りもせずに宗教差別的入国制限に固執している点や、自国の保護貿易を正当化するためにWTOの判断に従わないと言いながら、日本の市場開放が閉鎖的だとWTOに訴えるぞと、矛盾かつ傲慢なお発言をしている。

それでも物足りなくて、米国での雇用に寄与しているトヨタに、もっと工場を作れと発言している。

ここまで来ると、トランプ政権は短命に終わると考えてよい。今、トランプ大統領のツイーター発言が、両刃の剣としてネットやツイーターに押し潰され、スキャンダルが再度表に出て来ることに耐えきれなくなるだろう。

ネットを戦略的に使って勝利したトランプ氏が、政治手腕がないまま米国を混乱に陥れた反動が間違いなくやって来る。データ革命で勝利しても、実力が無ければその職を追われる典型的な例を見る事になる。 日本はその時を見据えた対応を考えておいた方が良いだろう。

米国入国制限に対する安倍総理の立場2017年02月01日 22:10

入国禁止令に歯切れ悪く=難民対応で引け目、米刺激を回避―安倍首相

トランプ大統領は、大統領令として7か国からの入国禁止を施行し、米国内外で混乱や批判が高まっています。 批判をしているのは米国では人種を超えて米国企業で活躍している人が多いことと、人種差別をする国にはなりたくない、と言う視点です。 国際的には入国禁止をされた国に加えて、ドイツ、フランスが非難しています、これはシリアを含む難民を受け入れて来た実績があるからです。 また、EUとして域内の移動の自由が重要な主義なのです。

英国は難民受け入れの反対を含めて、EUから離脱したのですから、トランプ氏と利害が一致しますので、今回非難していません。

日本は難民受け入れを最低限の付き合い程度にして、少子高齢化の補填は必要と言う、我儘な政策になっていますし、外国人観光客は増やそうと言う矛盾を抱えていますので、トランプ大統領の入国制限を非難できる立場にはありません。

トランプ大統領の姑息な手段は、シリア難民受け入れに反対するだけでなく、それをテロ対策としてイスラム圏の7か国を、米国に歓迎されない国民として指定して、拡大するという論点のすり替えをしている点です。

米国で起こったテロの犯人は、殆どが米国籍、市民権を持っていた事を考えると、7か国の入国制限はテロ防止とならないと考えるべきでしょう。また、米国人以外に雇用を取られないという考え方は、ヒットラーに酷似していますので、危険な大統領と言えます。

トランプ旋風は自ら方向性を失い果てる2017年01月25日 19:18

2017年1月20日米国の大統領としてトランプ氏が就任。 その政策は近視眼的で暴力的でさえある。 それは米国の不動産実業家が、大統領になるとこうなると言う、悪い例だ。

米国株式会社の社長として、早急に自社(自国)に最大の利益をもたらす事しか考えておらず、その為に保護主義、排他主義と強固な交渉(押しつけ)は正しいと信じている。 これが米国内だけなら勝手にやってもらえば良いのだが、米国の為にならない主要国も米国主導の交渉が出来ると思っている。

ところが、米国の看板の威力は無いし、過保護になった米国は競争力を失い、国際的な力はどんどん低下して行く。 欧州各国や中国、インドや日本を含むアジア各国は、米国との同盟から距離を置き、米国に頼らない政治、経済、外交、軍事を進めて行く事になる。 <欧州経済圏><アジア経済圏(豪州を含む)><中近東経済圏(アフリカを含む)><中南米経済圏>がそれぞれ出来上がるのは十分予想できる。ロシアはどこに行くのかは分からないが。 また、北米でカナダは米国と国境を接するだけに、その動向は予想しがたいが、可能性としては米国で受け入れられない移民がカナダに流入し、英連邦の1国として英国や欧州との経済圏に入る可能性もある。

中国、インドの人口を考えれば、米国以上の人口・市場が有るのだ。その道路事情から考えると、アメ車よりも日本車を現地向けに変更した方が適切だろうし、iPhone等も韓国、中国製で十分になる。軍備も欧州製を使えばよい。 日本では米軍との連携もあって、F35などを導入しているが、軍事同盟が希薄になれば、安くて優秀であればどこ製でも良い。

この経済圏は、軍事的な同盟も結び、軍事費を抑える事で経済発展に力点を置いて行くであろう。 トランプ大統領の任期4年でほぼその形が出来、2期目を継続できるとしたら米国は国際社会での発言力は低下し、自国完結型の社会主義のような国に変化せざるを得ない。

この観点から、日本は米国追従、同盟から離れて、アジア圏での先進国としての役割を果たすことが求められる。つまり、米国追従で身を守ってきた日本の政治家、特に安倍政権は明治維新に比する方向転換を図らないと、別の勢力に代わるだろう。

TPP等でトランプ氏を説得するなって言っているようじゃ、これから起こるトランプショックがもたらすものが分かっていないという事だ。

アジア同盟が成立すれば、駐留米軍は不要だ。中国とも同盟を結ぶことで、北朝鮮に対して中国の抑止力を発揮してもらう。 中国の南シナ海進出も、米国の支配力を無視して、アジア圏でまとまればそれ程の問題ではなくなるのかも知れない。

極論に来来れるかもしれ無いが、トランプ大統領の政策は、各国に上述のような判断をさせてもおかしくないと考えた方が良い。